あまり知られていない性病、トリコモナス

トリコモナス症はトリコモナス原虫に感染することが原因で発症する性病の一種です。
性行為が盛んな若年層だけではなく、広く感染者が多い性病です。
単細胞の原生動物に属する寄生生物であるトリコモナスが原因となって炎症症状が起こります。
トリコモナスは性行為によって主に感染する性病ですが、性行為がなくとも感染する可能性がある性病です。
トリコモナスは水分があるところでは一定期間生存することができるため、プールや公衆浴場でも感染の可能性があります。
そのため、トリコモナスの予防のために、きちんとコンドームをつけるだけではなく、感染者と接触しないことが大切です。
性行為の盛んな若年層だけではなく、性交経験の無い方でも感染の可能性があります。
男性・女性ともに感染しますが、主に女性に感染者が多く、炎症の症状も女性の方が強く出る傾向があります。
女性の膣に感染した場合には特に膣トリコモナス症と呼ばれます。
トリコモナス原虫は、グリコーゲンを活発に消費するため、糖・グリコーゲンが多く存在する性的に成熟した女性の膣に好んで寄生するからです。
女性では主に膣に感染して膣炎を、男性では主に尿道に感染して尿道炎を起こします。
女性の場合、外陰部の痒みや灼熱感といった症状があらわれますが、特におりものに症状があらわれるようになります。
悪臭の強い黄緑色の泡立ったおりものがその特徴です。
その他にも、膣炎の症状が悪化すると性交痛や性交不快感、排尿痛などの症状があらわれることがあります。
妊娠中に女性が感染すると早期破水や早産を招く可能性があるため早期の治療が必要です。
ただし、膣トリコモナス症特有の症状があらわれず、自覚症状がない方も非常に多いため注意しなければなりません。
膣トリコモナスは母親から新生児に感染する可能性もある性感染症です。
感染に気づいたらできるだけ早く治療を行うことが大切です。
男性の場合、女性と比べて症状の程度は弱く、無症状であることも少なくありません。
男性で症状が出る場合には、陰茎内部の刺激、尿道からの膿の排出、排尿あるいは射精後の灼熱感といった症状があらわれます。
ただし、男性で症状が出た場合でも、通常2~3週間で症状は消えることが多いです。
男性はトリコモナス原虫が尿道に感染するため、尿を出す際に一緒にトリコモナス原虫が排出されます。
その結果として自然に治癒してしまうこともあります。
しかし、そのようにして自然に症状が消えた場合であったり、最初から自覚症状がない場合であっても、トリコモナス症の治療を受けない限りは、性交渉の相手にトリコモナスを感染させる可能性があるため注意が必要です。

トリコモナスの治療方法

トリコモナス症の治療は主に薬物療法が主流です。
予防のためにはコンドームなどの避妊具が大切ですが、フラジールという特効薬があります。
フラジールには内服薬タイプと膣錠タイプがあり、男性は基本的に内服薬タイプの処方となりますが、女性は膣錠タイプを服用することもあります。
フラジールはメトロニダゾールを主成分とする薬で、このメトロニダゾールはトリコモナス原虫のなかで還元されて、ニトロソ化合物(R-NO)という物質に変化し、これがトリコモナス原虫のDNA合成を阻害することで効果を発揮します。
フラジールはトリコモナス原虫に対して殺虫的に作用する薬です。
トリコモナス原虫のDNAの二重鎖を切断し機能障害を起こすことで、分裂・増殖を抑制します。
フラジールは副作用が少ないことが特徴ですが、ときに、食欲不振、胃の不快感、吐き気などをもよおすことがあります。
フラジールを大量もしくは長期間にわかって服用すると末梢神経障害や中枢神経障害を起こしやすくなるため注意が必要です。
服用中および服用後はアルコールの摂取を控えなければなりません。
服用によって症状がおさまっても完全にトリコモナス原虫が消滅しなければ再発の可能性があるため一定期間様子をみることが大切です。
トリコモナスに感染しているかどうかは検査をすれば比較的簡単にわかります。
トリコモナス症の検査には、鏡検法・培養法・核酸増幅法などがあります。
病院で検査を行う場合には泌尿器科・婦人科・性病科がある病院に行く必要があります。
必要な検査が受けられる病院であるかどうか事前にきちんと確認しておくことが大切です。
病院での検査だけではなく、自宅にいながら通販で検査キットを購入して検査をすることもできます。
病院に行く時間が無い方でも自宅で検査ができるので便利です。